夜行観覧車
「高級住宅街の殺人!渦巻く悪意…家族崩壊」
殺人事件をきっかけに家族が対峙(たいじ)し、皮肉にも絆を結び直す”家族再生”を描く。
湊かなえ原作、奥寺佐渡子脚本、塚原あゆ子演出。
(あらすじ)
2013年1月。
真弓(鈴木京香)は、向かいに住む淳子(石田ゆり子)の家の前に救急車が止まっていることに気付く。
夫の啓介(宮迫博之)は、ドアののぞき穴に顔を押し付けている。
娘の彩花(杉咲花)は薄暗い荒れた部屋で頭を抱え込むように丸まっている。
夜の住宅街に救急車の無線の声が響き渡る中、錯乱した母の淳子が家から出てくる様子を遠くから慎司(中川大志)が見詰めている。
目には涙がにじんでいた。09年9月。
真弓は高級住宅地「ひばりケ 丘」に引っ越してきた。
家族で一軒家で幸せに暮らすという夢がかなったはずだった。
しかし、現実は理想と違っていた。
向かいの高橋家は病院を経営する医師 の弘幸(田中哲司)、妻の淳子、長男の良幸(安田章大)、長女の比奈子(宮崎香蓮)、次男の慎司が住んでいた。
真弓は早速、引っ越しのあいさつに回るが、 近所の人々は誰も相手にしてくれない。
疑問に思った真弓が淳子に相談をすると、隣家で自治会婦人部の部長を務めるさと子(夏木マリ)へのあいさつを一番にするべきだと注意される。